地域と共に生きる酒蔵
2022年11月のはじめにSAKEハンズオンローカル様の企画で
長崎県平戸市にある森酒造場さんと福田酒造さんにリアル酒蔵見学に行ってきました。
福田酒造→https://www.fukuda-shuzo.com/
日本酒の国内消費量はどんどん下がってる⁉
最近、多くの酒蔵さんが製造したお酒を海外に輸出することが一般的になってきて
国内での消費は年々減っているのが現状の日本酒業界だと言われています。
若い人以外でも、日本酒が悪い酔いするイメージは根強く
40代以上でも苦手というのはよく聞く話です。
それは飲み方の問題なのでは?と思う部分もあるのですが一旦それは横に置いといて。
リアルに酒蔵見学をして蔵元さんとお話をして感じたことは
蔵人の想いをもっと言葉にして伝えることが今からの時代大切で
そこには蔵の発展だけではなく、それが地域の魅力の一つになるような仕掛けと
お客様にお金を使わせる場所が必要だということを痛感しました。
日本酒の酵母がどうとか、生酛だとか山廃だとか
そういうウンチクを知ってほしいわけではなく、彼らがどんな想いで酒を仕込んでいるのか
今後、日本酒業界の中で地域の中でどんな立ち位置を確立したいと思っているのか、であったり
新しい製造方法へのチャレンジの軌跡など。そういう見えない部分を知ることでより日本酒を身近に感じることが出来ると思うのです。
人気日本酒「飛鸞」を訪ねて
森酒造場の代表銘柄は「飛鸞」
現在の杜氏の雄太郎さんは、浦霞の蔵元で修行して長崎に戻り5年
まじめに、まっすぐに、こだわりの酒造りをつづけていらっしゃいます。
飛鸞というお酒は昔から森酒造場でつくられていましたが、最近は売り切れが続出し、日本酒好きの間でもプレミアがつくなど有名。
実は私も最近なんです。飛鸞を知ったのは。
コロナ禍となり日本酒が売れないという声をSNSでよく見かけるようになり
日本酒インフルエンサーのもりりんさんと森酒造場さん、倭からん我零時さんのコラボ企画で初めて購入してみたことがきっかけでした。
もりりんさん→https://www.instagram.com/moririn130
倭からん我零時さん→https://akr0452008731.owst.jp/
九州に住んでいても長崎って日本酒のイメージ薄いし、長崎のお酒は佐賀では買えないし正直あまり期待はしていませんでした。個人的な主観として、東北や新潟の辛口が大好きなタイプで九州のお酒も好きではあるんですが、あえて選択してこなかったんです。
でも飲んでみたら、とってもキレイで美味しかった。
なんていうのか…
やわらかく、飲み手に話しかけてくれて
そこへ必要なものをチョイスしてつないでくれるお酒というか…。
小料理屋の女将のようなお酒とでもいいましょうか(わかりづらいか)
食事と一緒に、箸を進ませてくれる感じなわけです。
※現在新酒の仕込み中な感じなので、年末か年明けまでには新しいお酒が発売されるそうです。
酒蔵見学って、お酒を楽しく美味しく飲みたい欲求の強い方にとっては
日本酒のうんちくや製造方法をきかされたところで、そうなんだで終わってしまいがちなんです。
ぶっちゃけると私もそのタイプです。
酒蔵見学もビールやワインの工場見学の後の試飲を楽しみに行く人です。
でも、それってどうしてそういう安直な思考になってしまうのかというと
あくまでも私の場合ですが、商品から「人」が見えてこないからだったりします。
個人的にご贔屓にしている酒蔵さんやこの杜氏さんのファンと言っているところ
酒蔵が生まれたストーリーが面白くて興味を持ったところ
そんな商品以外の情報を知ってしまうと、商品というよりその人に興味を持ってしまう。
そして、そんな人への興味が自然と商品に向く
私の場合、そういう酒蔵をどんどん増やして、蔵元への興味、大好きな日本酒が増えていくのです。
人それぞれ、歴史や人、商品、土地など興味を持つポイントはバラバラなので
それを各自が見つけてほしい…。そんな風に思っています。
酒蔵見学の後、近くの飛鸞が飲める飲食店(近所にめっちゃ美味しい焼き肉屋があるw)で食事するのもいいなぁと思いながら次の目的地へ移動しました。
日本最西端の酒蔵「福田酒造」
次に訪れたのは森酒造場から約1時間程走った先にある
福田酒造株式会社さん
1688年創業のめっちゃ古い老舗酒蔵。複鶴、長崎美人、福田などの日本酒と
じゃがいも焼酎を製造されています。
福鶴は、平戸藩の御用酒だったという歴史もあり古くから多くの人に飲まれていたお酒です。
実は、このプロジェクトで初めて知った福田酒造さん。
バタバタしていたこともあり、何の知識も前情報も持たずに訪問させて頂いてびっくり。
市営の有名博物館級のお宝が展示されている蔵があります。
主には昔の酒造りの道具とかなのですが、昔に親戚が有名な人から頂いた茶碗だとか掛け軸だとか
骨董や古美術品が好きな方には至福の空間があります。
この時は、福田というお酒についてご紹介していただきました。
平戸産の原材料を使って丁寧に醸したお酒は、海外の品評会でも入賞するなど世界からの注目を集めています。個人的には、品評会がどうのというより「長崎の食文化に合わせることが出来るお酒を造りたいと研究を重ねている」という蔵元のお言葉に惹かれました。
自社で農家さんと契約し、自分たちで使う米を自分たちで作る。
そして、出来るだけ農薬を使わないように、こまめに草取りをしたりしながら昨年との土の状況の違いを肌で感じて作るという姿勢も素敵だなぁと話を聞いていました。
日本食に日本酒が合うのはよく知られていますが
意外に洋食や中華など濃いめの味付け、ピリ辛料理にも日本酒は合うのです。
一般的に料理と一緒にお酒を楽しむ人の方が多いわけですから料理との相性って大事なんですよね。
なんなら時間がない人へは、コンビニ弁当と日本酒なんて組み合わせもいいかもしれません。
こちらのお酒は、広島に住む酒豪への献上品とさせて頂きました。
福田酒造→https://www.fukuda-shuzo.com/
日本酒業界の未来はこれからだ!
あまり良いイメージのない日本酒業界ですが
足を踏み入れてみると、日本酒の美味しさや奥深さ、面白さが感じられます。
お気に入りのお酒が増えるように私も情報発信頑張っていきます。